
株式会社吉野家ホールディングス(東証プライム:9861)は、牛丼チェーン「吉野家」やうどんチェーン「はなまるうどん」を国内外で展開する持株会社です。
本記事では、吉野家ホールディングスの配当金額や配当時期、配当性向、配当利回りについて、2027年2月期(2026年3月〜2027年2月)の配当予想をもとに解説をいたします。
新型コロナウイルスによる業績悪化で2021年2月期は無配となりましたが、その後段階的に配当を回復し、2026年2月期には年間22円と過去最高水準の配当を実施しています。
吉野家の株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
吉野家ホールディングスの配当金はいくら|1株あたり年間22円の予想

2027年2月期(2026年3月〜2027年2月)の吉野家ホールディングスの配当金は1株あたり年間22円の予想です。単元の100株保有している場合、年間2,200円の配当金がもらえます。
100株分の配当金を受け取るためには、377,400円※の投資額が必要です。(※2026年8月13日の終値で計算)
直近5年分の配当金の推移を下表にまとめました。
(1株あたり)
| 事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
| 2027年2月期(予想) | 11円 | 11円 | 22円 |
| 2026年2月期 | 11円 | 11円 | 22円 |
| 2025年2月期 | 10円 | 10円 | 20円 |
| 2024年2月期 | 8円 | 10円 | 18円 |
| 2023年2月期 | 5円 | 5円 | 10円 |
参照元:吉野家ホールディングス|決算短信
直近5年間で配当金は10円から22円へと増加しており、2026年2月期は過去最高水準の配当を達成しました。2027年2月期は22円と配当維持の予想です。
また、配当金には20.315%の税金が発生するので、100株を持っている株主に支払われる金額は1,753円です。
【税引後に受け取れる配当金】(22円×100株)×(1−20.315%)=1753.07円
配当金の税金や節税方法については、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
吉野家ホールディングスの配当金はいつもらえる|11月上旬、翌5月上旬

吉野家ホールディングスの配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。配当金の権利確定日と支払い開始時期を、以下の表にまとめました。
2026年配当受取カレンダー
| 項目 | 中間配当 | 期末配当 |
| 権利付最終日 | 2026年8月27日(木) | 2027年2月24日(水) |
| 権利確定日 | 2026年8月31日 (月) | 2027年2月26日(金) |
| 配当支払予定日 | 2026年11月上旬頃 | 2027年5月上旬頃 |
参照元:吉野家ホールディングス|株式の概要、吉野家ホールディングス|決算短信
配当金を受けとるには、株主名簿への登録が必要です。反映に時間がかかるので、2027年2月期の配当を受けとるためには、基準日の2営業日前までに株を買いましょう。
吉野家ホールディングスの配当利回りと配当性向

2027年2月期の予想において、吉野家ホールディングスの配当利回りは0.6%、配当性向は29.1%です。直近5年分の推移については、以下の表をご覧ください。
| 事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
| 2027年2月期 | 0.6%(予想) | 29.1%(予想) |
| 2026年2月期 | 0.7% | 30.52% |
| 2025年2月期 | 0.65% | 34.02% |
| 2024年2月期 | 0.62% | 20.77% |
| 2023年2月期 | 0.41% | 8.93% |
参照元:みんかぶ|吉野家ホールディングス(9861)、吉野家ホールディングス|決算短信
配当利回りは東証プライム全銘柄の平均(約2.0%)と比べて低水準です。配当収入を重視する投資家には物足りない水準といえます。
一方、配当性向は20〜30%台で推移しており、利益に対して無理のない範囲で配当を出している状況です。
吉野家への投資を検討する際は、配当利回りだけでなく株主優待も含めた株主還元全体を確認した上で判断しましょう。
競合他社との比較
以下の表では、吉野家の配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。(2026年3月期実績)
| 会社名 | 配当利回り | 配当性向 |
| 吉野家ホールディングス(9861) | 0.7%※ | 29.1%※ |
| ゼンショーホールディングス(7550) | 0.83% | 27.2% |
| 松屋フーズホールディングス(9887) | 0.39% | 12.2% |
※吉野家は2月期決算
参照元:吉野家ホールディングス|決算短信、ゼンショーホールディングス|決算短信、松屋フーズホールディングス|IRライブラリ
吉野家の配当利回りは、3社のなかで最も高い水準です。しかし、上記3社はいずれも1%を下回っており、配当収入を重視する投資家には向きにくい水準です。配当金を重視するなら、ほかの高配当株もあわせて検討しましょう。
配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回り
購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向
税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、こちらの「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」記事で解説しています。
吉野家ホールディングスの株主優待|200株以上でさらに高待遇

2027年2月期において、吉野家ホールディングスは株主優待を実施しています。優待内容は「株主様ご優待券(500円サービス券)」の進呈です。吉野家・はなまるうどんをはじめとする国内の吉野家グループ店舗で利用できます。
配布対象は毎年8月末日・2月末日時点で100株以上を保有する株主で、保有株式数に応じて配布枚数が異なります。
詳細は下表を参考にしてみてください。
| 保有株式数 | 配布枚数 |
| 100~199株 | 500円サービス券 × 4枚 |
| 200~999株 | 500円サービス券 × 10枚 |
| 1,000~1,999株 | 500円サービス券 × 12枚 |
| 2,000株以上 | 500円サービス券 × 24枚 |
200株以上になると配布枚数が100株時の2.5倍に増えるため、200株以上の保有が優待の恩恵をより受けやすい水準です。優待券は複数枚の同時利用が可能で、すべてのメニューが対象です。
また、店舗配布のサービス券との併用や割引セール期間中の利用もできるため、使い勝手の良い優待内容だといえます。
吉野家ホールディングスの業績

吉野家ホールディングスの直近5年間の業績を下表にまとめました。
(単位:百万円)
| 決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
| 2026年2月期 | 225,667 | 8,089 | 8,803 | 4,665 |
| 2025年2月期 | 204,983 | 7,306 | 7,995 | 3,803 |
| 2024年2月期 | 187,472 | 7,973 | 8,606 | 5,604 |
| 2023年2月期 | 168,099 | 3,434 | 8,741 | 7,234 |
| 2022年2月期 | 153,601 | 2,365 | 15,642 | 8,116 |
参照元:吉野家ホールディングス|決算短信
直近5年間で売上高は153億円から225億円へと堅調に伸びています。
2022年2月期は新型コロナウイルス関連の助成金収入が経常利益・純利益を押し上げた影響もあり、営業利益と経常利益の間に大きな差が生じています。
本業の回復が遅れるなかでも助成金によって純利益を確保し、前期に無配だった配当を復活させました。
2024年2月期は助成金の減少により純利益は減益となったものの、規制緩和に伴う人流の回復で営業利益は大きく改善しました。
その後は雇用・所得環境の改善や外国人観光客の増加、価格改定でコスト上昇に対応した結果、2026年2月期は3年ぶりに純利益が増益となっています。
吉野家ホールディングスの事業内容

吉野家ホールディングスは事業を以下の3つに区分しています。
- 吉野家
- はなまる
- 海外
それぞれ紹介します。
吉野家
吉野家は国内牛丼チェーン「吉野家」の経営、およびフランチャイズ店舗への経営指導を手がけています。創業は1899年、東京日本橋の魚市場にある個人商店として始まりました。以降120年以上にわたり「うまい、やすい、はやい」をモットーに牛丼を展開してきました。店舗数はすき家・松屋と比べてやや少ないものの、牛丼チェーン店としてのブランド認知は高い水準を維持しています。
はなまる
はなまる事業では、讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」の経営およびフランチャイズ店舗への経営指導を手がけています。株式会社はなまるは2000年に香川県高松市で創業。本場と同じセルフ方式を採用しており、豊富なトッピングで自分好みにカスタマイズできる点が特徴です。吉野家は2004年に株式を取得し、2012年に完全子会社化しています。
海外
吉野家はアメリカ・アジアを中心に海外展開を進めています。海外進出は1973年にアメリカへ法人を設立したことが始まりで、1975年にコロラド州デンバーに吉野家1号店を開店しました。その後アジア圏を中心に拡大し、2011年にははなまるうどんの海外1号店を上海にオープン。2026年5月現在、グループ全体で海外に1,061店舗を展開しています。
吉野家ホールディングスと競合他社の業績比較

吉野家ホールディングスと競合他社の業績を比較してみましょう。2025年度の業績を下表にまとめました。
(百万円)
| 会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
| 吉野家ホールディングス(9861) | 225,667 | 8,089 | 8,803 | 4,665 |
| ゼンショーホールディングス(7550) | 1,264,053 | 81,440 | 78,257 | 45,812 |
| 松屋フーズホールディングス(9887) | 184,474 | 7,594 | 8,345 | 3,772 |
※吉野家は2026年2月期、他は2026年3月期決算
参照元:吉野家ホールディングス|決算短信、ゼンショーホールディングス|決算短信、松屋フーズホールディングス|決算短信
吉野家の売上高はゼンショーの約18%にとどまりますが、営業利益率は3社のなかで最も高い水準です。事業規模では劣るものの、収益効率の面では競争力を維持しています。
ただし、3社とも営業利益率は10%以下であり、人件費や原材料費の高騰が飲食業界全体の収益を圧迫している状況は変わりません。
吉野家ホールディングスの株価

吉野家ホールディングスの株価は、3,774円(2026年8月13日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。

出典:Yahoo!ファイナンス|(株)吉野家ホールディングス(9861)
2020年は新型コロナウイルスの影響で飲食業界全体が打撃を受け、吉野家ホールディングスも単年で75億円の赤字を計上し無配となり、株価は急落しました。
翌年は国からの助成金により黒字転換・復配を果たし、株価は安定を取り戻しました。2024年2月期には当時過去最高の売上を記録。
助成金終了により純利益は減少したものの、営業利益の伸びが本業の回復として評価され、株価は最高値を更新しました。2025年以降は3,000円前後で推移しています。

吉野家HDは、年間22円配当予想を維持しており、優待も含めて個人投資家に注目されやすい銘柄です。ただし配当利回りは0.5%台と高配当株とは言いにくく、配当金狙いでは利回り面の物足りなさがあります。
今後は既存店売上の伸びに加え、原材料費・人件費上昇を吸収できる利益率の維持を確認したいところです。
また、吉野家HDと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
| 会社名 | 現在の価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
| 吉野家ホールディングス(9861) | 3,774円 (以降26/8/13終値) | 3,740円(26/7/15) | 2,984円(26/1/8) |
| ゼンショーホールディングス(7550) | 11,260円 | 10,325円(26/2/19) | 7,381円(26/5/27) |
| 松屋フーズホールディングス(9887) | 5,040円 | 6,910円(26/2/6) | 4,385円(26/6/23) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
吉野家ホールディングスの自己株式取得|実施予定

2026年7月10日の取締役会において、吉野家ホールディングスは自己株式取得を決議しました。
直近での実施状況は、以下のとおりです。
- 取得した株式の種類:普通株式
- 取得上限株数:850,000株(発行済株式総数の1.31%)
- 取得価額の総額:最大25億円
- 取得期間:2026年7月13日〜2026年8月21日
- 取得方法:東京証券取引所における市場買付け
参照元:日経会社情報DIGITAL|吉野家ホールディングス[9861]:自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ (会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)
なお、今回の取得はM&Aの決済手段として自社株を活用するための取得であり、純粋な株主還元目的とは異なります。株主還元方針として年2回の配当を基本としており、当面は配当金を中心とした還元が続く見込みです。
まとめ

本記事では、吉野家ホールディングスの配当金について解説しました。
2027年2月期の配当金は1株あたり年間22円が予定されており、100株あたり税引後1,753円が受け取れます。権利確定日は毎年8月末と2月末で、支払いはそれぞれ11月上旬と5月上旬です。
配当利回りは1%以下と低水準であるため、配当収入だけを目的とした投資には向きにくい銘柄です。株主優待(500円サービス券)も含めたトータルの株主還元を確認したうえで、投資を判断しましょう。
銘柄選びの参考になれば幸いです。
【ご注意事項】
本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には元本割れのリスクがあります。配当金は企業の業績によって減額・廃止になる場合があります。投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。記載のデータは2026年8月13日時点のものです。最新情報は各企業のIR資料等でご確認ください。



コメントComment