
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信は、TOPIXに連動した成果を目指すETFです。
一般的にETFは運用コストが低いことでも知られていますが、その中でもNEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信は純資産総額に応じて信託報酬率が下がる仕組みであることから運用コストは極めて低いといえます。
新NISAの成長投資枠を利用することもできるため、長期的に保有すれば、配当金を非課税で享受し続けることも可能です。
今回は、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信についてわかりやすく解説します。
目次
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信とは
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の特徴
NEXT FUNDS TOPIX連動上場投信は愛称をNF・TOPIX ETFといいTOPIXに連動したETFです。TOPIX採用銘柄の株式に投資をしています。
分配金は年1回です。信託財産の運用から生じた収益から運用コストなどの経費を控除し、残りの額が全額、投資家へ分配されます。ただし、運用成果がない、または、少ない場合には分配金がない場合もありますので注意してください。
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の基本データ
(2024年8月14日時点)
基準価額(100口あたり) | 268,009円 |
取引所価格(8月13日終値) | 2,677円 |
売買単位 | 10口 |
最低取引金額 | 26,770円 |
純資産総額 | 216,762.9億円 |
受益権口数 | 8,087,899,109口 |
分配金利回り(過去1年間・税引前) | 2.16% |
直近分配金(100口あたり) | 5,790円 |
委託会社 | 野村アセットマネジメント株式会社 |
ETFは投資信託の一種ですが、証券取引所に上場しているためリアルタイムでの売買が可能です。ETFには基準価額、取引価額、インディカティブNAVという3つの価格が存在します。
ETFの基準価額は、純資産総額を受益権口数で割った額で1日1回更新される価格、取引価格は、実際の取引に使われる価格です。取引価格はTOPIXの時価変動や需要と供給のバランスにより刻々と変動します。
インディカティブNAVは、ETFの取引価格が推定理論価格と比較して割安か割高かを示すものになります。
実際のETFの売買は取引価格で行います。
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の資産内容
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信はTOPIX全体を投資先としていますが、上位の比率は下表の通りです。
(2024年7月31日現在)
(業種別構成比)
業種 | 純資産比 |
電気機器 | 16.9% |
銀行業 | 8.2% |
輸送用機器 | 7.6% |
卸売業 | 7.4% |
情報・通信業 | 7.0% |
その他業種 | 51.2% |
(組入上位10銘柄)
銘柄 | 純資産比率 |
トヨタ自動車 | 3.9% |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2.6% |
ソニーグループ | 2.4% |
日立製作所 | 2.0% |
三井住友フィナンシャルグループ | 1.9% |
キーエンス | 1.6% |
東京エレクトロン | 1.6% |
リクルートホールディングス | 1.6% |
三菱商事 | 1.6% |
信越化学工業 | 1.5% |
*組入れ全銘柄数 2,135銘柄
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の取引所価格の推移
下図は過去6ヵ月の取引所価格の推移です。
【2024/2/15~8/15】
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の分配金
決算日は年1回、毎年7月10日です。過去の分配金は下表の通りです。
決算日 | 金額(100口当たり) |
2024年 | 5,790円 |
2023年 | 5,210円 |
2022年 | 4,640円 |
2021年 | 3,660円 |
2020年 | 3,290円 |
2019年 | 3,330円 |
2018年 | 3,050円 |
2017年 | 2,600円 |
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の利回り
過去1年間の利回りをNEXT FUNDSシリーズの他の投資指数に連動したファンドと比較してみましょう。(基準日2024年8月14日)
順位 | ファンド名 | 純資産総額 | 利回り(税引前) |
1 | NEXT FUNDS TOPIX ETF | 216,762.9億円 | 2.16% |
2 | NEXT FUNDS JPX400ETF | 15,568.2億円 | 2.02% |
3 | NEXT FUNDS 日経225ETF | 98,916.8億円 | 1.64% |
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の利回りは他の指数連動商品より高いことがわかります。
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の信託報酬率
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の現在の信託報酬率は、0.0539%(税込)です。
他のTOPIX連動ETFと比較してみましょう。
ファンド名 | 管理会社 | 信託報酬率 |
上場インデックスファンドTOPIX | 日興アセットマネジメント | 0.052% |
MAXISトピックス上場投信 | 三菱UFJアセットマネジメント | 0.06% |
One ETF トピックス | アセットマネジメントOne | 0.078% |
SMDAMトピックス上場投信 | 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 | 0.074% |
iFreeETF TOPIX(年1回決算型)(年4回決算型) | 大和アセットマネジメント | 0.06% |
iシェアーズ・コアTOPIX ETF | ブラックロック・ジャパン | 0.045% |
NZAM 上場投信TOPIX | 農林中金全共連アセットマネジメント | 0.075% |
現在、信託報酬率が最も低いのはブラックロック・ジャパンが管理しているiシェアーズ・コアTOPIX ETFです。
しかし、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の信託報酬率は段階料率を適用しているため、純資産総額が増えるほど信託報酬率は低くなる仕組みとなっています。
そのため、当ETFはこれまでも純資産総額の増加に伴い、段階的に信託報酬率が引き下げられてきました。今後も運用資産が増えれば運用コストは更に引き下げられる可能性があります。
因みに、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の具体的な信託報酬率の配分は次の通りです。
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信の純資産総額 | 5兆円以下の部分 | 5兆円超10兆円以下の部分 | 10兆円超の部分 |
信託報酬率(税込み) | 年0.0968% | 年0.066% | 年0.0429% |
運用コストは手取り収益に直結するため、信託報酬コストは低いに越したことはありません。
ETF選びの際には、交付目論見書などで必ず確認するようにしてください。
NISAの成長投資枠を活用する
ETFはNISA成長投資枠で購入できる
新NISAの発足を機に、積立投資を始めた方が多いようです。今年に入り、国内外の株式を投資先とした投資信託への資金流入が続いています。
NISAには成長投資枠とつみたて投資枠の2つの非課税枠が設けられています。
投資信託の積立投資は、年間120万円のつみたて投資枠を使い、240万円の成長投資枠に余力があれば成長投資枠を使うこともできます。
ETFをNISAで購入する場合は、240万円の成長投資枠を使います。(一部つみたて投資枠対象のETFあり)積立投資をしている人の中には、成長投資枠では個別株しか買えないと勘違いしているケースもあるようですが、ETFへ投資すれば、成長投資枠でもインデックスに連動した分散投資が叶います。
ETFなら株価下落時もねらい目
ETFは上場している投資信託、つまり投資信託の一種です。投資信託との大きな相違点は、リアルタイム取引が出来ることです。
一般の投資信託の基準価額は1日1回売買注文の締め切り後更新されるため、実際はいくらで売買出来るのかは注文を出した時点ではわからない仕組みです。
一方、ETFは市場が開いている間は取引価格がリアルタイムに更新されるため、株式と同様に指値注文も可能なシステムとなっています。
記憶に新しい所で8月5日の株価急落時、今年から投資を始めた方の中には、狼狽して「売り」が増えたようですが、投資経験者の中では、反対に「買い」も目立ちました。
ETFはリアルタイム取引が可能なため、市場の激変にも落ち着いた行動を取ることができます。つまり、ETFは株価下落時が買い時というシナリオを作りやすいと言えます。
ETFを購入するときに気を付けること
ETFの商品選びのポイントは次の3つです。
1.低コストであること
購入時と売却時の手数料は証券会社によって異なります。ネット証券などでは無料となっている場合もあります。
必ずかかるコストは運用中の信託報酬費用です。同じ指数、たとえばTOPIXに連動したETFでも運用会社によって信託報酬率が異なります。コストが高いほど実質利益が減ることになるため、低コストのETF選びが長期になるほど有利です。
2.連動指数との乖離率
ベンチマークとしている指数とETFの運用実績の乖離率を確認しましょう。TOPIXや日経225など同じ指数に連動したETFであっても、運用コスト(売買手数料、信託報酬費用)や、銘柄の組入れ比率が異なれば指数との乖離率が異なります。なるべく指数との乖離が小さい商品選びが良い運用成績にを得るためには重要です。
3.流動性
株式投資の場合も同じですが、リアルタイムで取引するETFにとっても流動性は重要です。流動性が低いと希望のタイミングで売買が成立しない可能性もあるからです。
希望するタイミングや価格で取引するためには、運用資産が多く市場で活発に取引されている、いわゆる流動性の高いETFを選ぶことが大切です。
まとめ
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信はリアルタイム取引で市場全体に分散投資できる商品と考えることができます。
リスクの観点から、個別銘柄への投資に躊躇している方や、すでに積立投資を始めている方にとって、ETFは選択しやすい商品です。
ETFを選ぶ際は運用コスト、連動指数との乖離率、流動性などを確認するようにしてください。
NISA対象のETFであれば一生涯にわたり配当金に対する非課税メリットを受けることも可能です。
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信を投資先の選択肢として考えてみませんか。
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