
本記事では、すかいらーくホールディングス(東証プライム:3197)の配当金額や配当時期、配当性向、配当利回り、今後の見込みについて解説します。
すかいらーくは、「ガスト」「バーミヤン」「しゃぶ葉」などおもに飲食店(レストラン)を運営している企業です。
全国約3,000店舗を展開しており、安心して楽しめる食事と心地よい空間を年間約3億人に届けています。
2025年12月期(2025年1月1日~2025年12月31日)の配当金は年間20円で、1株あたり年間1.5円の増配が見込まれています。
すかいらーくの株はNISAの成長投資枠でも購入できるので、非課税での運用も可能です。
目次
すかいらーくの配当金はいくら|年間1.5円の増配予定
2025年12月期の予想において、すかいらーくの配当金は1株あたり年間20円です。100株あたり年間2,000円がもらえます。
100株分の配当金を受け取るためには、300,800円の投資額が必要です。※2025年9月17日の終値(1株=3,008円)で計算
過去5年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり)
事業年度 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計額 |
2025年12月期 | 12円(予想) | 20円(予想) | |
2024年12月期 | 7.5円 | 11円 | 18.5円 |
2023年12月期 | – | 7円 | 7円 |
2022年12月期 | – | – | – |
2021年12月期 | – | 12円 | 12円 |
参照元:すかいらーく|決算短信
配当金には20.315%の税金がかかるので、実際に100株を持っている株主に支払われる金額は1,593円です。
【税引後に受け取れる配当金】(20円×100株)×(1−20.315%)=1,593.7円
配当金の税金や節税方法については、こちらの「配当金に税金はかからない?節税のコツや新NISAで非課税で受け取る方法を解説」の記事を参考にしてみてください。
すかいらーくの配当金はいつもらえる|9月頃と翌3月頃
すかいらーくの配当金は、中間と期末の合計2回にわけて支払われます。配当金が支払われる時期と権利確定日を、以下の表にまとめました。
中間配当 | 期末配当 | |
権利付最終日 | 2025年6月26日 | 2025年12月26日 |
権利確定日 | 2025年6月30日 | 2025年12月30日 |
支払開始予定日 | 2025年9月頃 | 2026年3月中旬頃 |
すかいらーくの配当金を受け取るには、株主名簿への登録が必要です。
2025年の期末配当を受け取るためには、基準日の2営業日前までに株を買いましょう。
ただし、証券会社によって買付日が異なるケースがあるため、できるだけ早めに注文を完了させるのがおすすめです。
すかいらーくの配当利回りと配当性向
2025年12月期の予想では、すかいらーくの配当利回りは0.66%、配当性向は30.7%です。
直近5年分の推移については、以下の表をご覧ください。
事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
2025年12月期 | 0.66%(予想) | 30.7%(予想) |
2024年12月期 | 0.81% | 30.1% |
2023年12月期 | 0.37% | 33.3% |
2022年12月期 | – | – |
2021年12月期 | 0.75% | 29.4% |
参照元:すかいらーく|決算短信
直近5年間において、すかいらーくの配当利回りは1%未満です。
日経平均やプライム市場の平均配当利回り(約2%)と比べると、すかいらーくの配当利回りは低いと言えるでしょう。
また、配当性向は「年間30%」を目標にしており、会社の業績や資金繰りに余裕を持たせながら配当を実施しています。
競合他社との比較
以下の表では、前年度(2024年12月期)のすかいらーくの配当利回りと配当性向を、競合他社と比較しました。
(2024年12月期)
会社名 | 配当利回り | 配当性向 |
すかいらーくホールディングス(3197) | 0.81% | 30.14% |
ゼンショーホールディングス(7550) | 0.94%※ | 29.11%※ |
ロイヤルホールディングス(8179) | 1.29% | 26.57% |
参照元:みんかぶ
※3月決算のため、2025年3月期の実績を記載
2024年度において、すかいらーくの配当利回りと配当性向は、競合他社と同水準です。
2025年12月期の配当利回りは、すかいらーくの株価が高騰(過去最高の3,000円台を記録)した影響もあり、昨年より低くなると予想されています。
配当性向の目標は30%なので、今期も30%前後となりそうです。配当性向と配当利回りは、企業を評価するときに使う指標です。
配当利回りは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けられるかを示す指標です。配当利回りが高いことは、投資した資金に対して多くの配当金を受け取れるということです。一方、株価の下落によって利回りが高くなっている場合は、企業の業績悪化を示す兆候であり、将来的な減配のリスクも考えられます。
計算式は次のようになります。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
配当性向は、税金を差し引いた企業の純粋な利益である当期純利益のうち、配当に回される額を表した割合です。つまり配当性向が高いと、株主への利益還元が多くなります。投資家には短期的な利益が増えるなどのメリットがあります。しかし、高すぎると減配や無配、株価下落のリスクなど将来の成長性や財務の安定性に影響が出るリスクも存在します。計算式は次のようになります。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
目安となる数値や詳しい計算方法については、「配当利回りと配当性向とは?違いや計算式、目安となる数値を解説」の記事で解説しています。
すかいらーくの配当金が廃止・復活した理由|一時的な赤字
すかいらーくの配当金は、2022年12月期に一時的に廃止となりました。
水道光熱費の上昇をはじめとした経費全般の増加が響き、連結営業利益で約60億円の赤字を記録。経営を安定させるため、配当金を停止せざるを得なかったのです。
そこで、人気のないメニューをなくして仕入れを減らしたり、来客が少ない時間帯に製氷機を休止させて水道光熱費を抑えたりと、あらゆる工夫をしました。
結果、2023年12月期の連結最終利益が黒字(約47億円)となったため、すかいらーくは翌年度に配当金を復活(1株あたり年間7円)させています。
すかいらーくの株主優待|食事で使える電子チケット
すかいらーくの株を100株以上持っていると、株主優待を受けられます。
優待内容は、すかいらーくのグループ店舗で利用できる「株主優待券(電子チケット)」の贈呈です。
詳細を下表にまとめました。
保有株式数 | 金額 | ||
中間決算(9月発送分) | (翌年3月発送分) | 年間合計 | |
100~299株 | 2,000円相当 | 2,000円相当 | 4,000円相当 |
300~499株 | 5,000円相当 | 5,000円相当 | 10,000円相当 |
500~999株 | 8,000円相当 | 8,000円相当 | 16,000円相当 |
1,000株~ | 17,000円相当 | 17,000円相当 | 34,000円相当 |
参照元:すかいらーく|株主優待制度
配当金や値上がり益だけでなく、すかいらーくのグループ店舗(ガスト、バーミヤンなど)で食事をするときでも金銭的なメリットを受けられるでしょう。ただし、一部の店舗では利用できない場合があるので、詳細は各店舗に問い合わせてみてください。
すかいらーくの業績
すかいらーくの過去5年分の業績を、以下の表にまとめました。
(単位:百万円)
決算情報 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
2024年12月期 | 401,130 | 24,184 | 21,470 | 13,965 |
2023年12月期 | 354,831 | 11,688 | 8,691 | 4,781 |
2022年12月期< | 303,705 | -5,575 | -8,225 | -6,371 |
2021年12月期 | 264,570 | 18,213 | 14,325 | 8,742 |
2020年12月期 | 288,434 | -23,031 | -26,433 | -17,214 |
参照元:すかいらーく|決算短信
2022年12月期は水道光熱費や原材料価格の急な高騰により、すかいらーくの純利益は約63億円の大赤字となりました。
しかし、人気のないメニューを廃止したり、部分的に製氷機を休止させて光熱費を抑えたりといった経営戦略により、2023年12月期の純利益は約47億円にまで回復。
2024年12月期の売上高については、過去最高水準の4,011億円に達しています。
2025年度についても、メニュー価格の見直しによる適切な値上げと、割安なセットメニューや新商品の投入といった戦略により、業績は右肩上がりに推移。
2025年1~3月の純利益は、同期間での過去最高額となる約43億円(前年同期比27%増)を記録しています。
売上高については年々右肩上がりに上昇しているため、今後もすかいらーくの業績アップに期待が持てそうです。
すかいらーくの事業内容
すかいらーくホールディングスのおもな事業内容は、以下のとおりです。
- レストラン事業
- その他事業
それぞれ解説します。
レストラン事業
すかいらーくのレストラン事業では、和洋中さまざまなブランドを展開しています。
代表的なブランドは、以下のとおりです。
- ガスト:幅広い年代が利用できるファミリーレストラン
- バーミヤン:本格的な中華料理を楽しめる中華レストラン
- ジョナサン:健康的な食事にこだわった高品質レストラン
- しゃぶ葉:お肉や野菜、デザートなどが食べ放題のしゃぶしゃぶ専門店
とくに、ガストは全国で1,200店舗以上もあり、一人でも家族連れでも気軽に利用できます。
その他事業
飲食事業以外に、すかいらーくは以下の事業を展開しています。
- 食品の販売:洋菓子販売、洋風惣菜販売
- 店舗清掃・保守:リフォーム、清掃、修繕
- 食材などの配送:工場から店舗への食材、一般品の配送
上記の周辺事業は、レストラン運営を支える役割を果たしており、グループ成長の安定に貢献しています。
すかいらーくと競合他社の業績比較
すかいらーくと競合他社の業績を比較してみましょう。前年度(2024年12月期)の業績は、以下のとおりです。
(百万円)
<会社名 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益< |
すかいらーくホールディングス(3197) | 401,130 | 24,184 | 21,470 | 13,965 |
ゼンショーホールディングス(7550) | 1,136,684※ | 75,128※ | 71,890※ | 39,290※ |
ロイヤルホールディングス(8179) | 152,150 | 7,366 | 7,315 | 5,926 |
参照元:みんかぶ
※3月決算のため、2025年3月期の実績を記載
2024年度の業績を上記3社で見ると、すかいらーくの業績はゼンショーに次ぐ2位でした。
上記3社の強みは、それぞれ以下のとおりです。
- すかいらーく:ファミリーレストラン中心(約3,000店舗)の事業戦略
- ゼンショー:「調達→製造→物流→販売」までを一貫して行う独自システム
- ロイヤルHD:空港や官公庁といった競合性の低い場所でのサービス展開
飲食業のなかでも「ファミリーレストラン」に注目すると、国内で圧倒的なブランド数と店舗網を持つすかいらーくは、今後も成長が期待できる有力企業だと言えます。
すかいらーくの株価
すかいらーくの株価は、3,008円(2025年9月17日終値)です。以下のチャートでは、直近10年間の株価の推移を示しています。
出典:Yahoo!ファイナンス|(株)すかいらーくホールディングス【3197】
2015年頃、すかいらーくの株は1,500円前後で取引されていました。
2019年にはすかいらーくグループの店舗が増えて、株主優待がより使いやすくなったため、一時的に株価が2,000円を突破しています。しかし、2020年上半期から始まったコロナ禍により、一時閉店や短縮営業などの影響で売上が大幅に下落。
さらに、2020年9月には株主優待が減額されたことで、株価は再び1,500円程度まで下落しました。その後、2023年に売上が増加したことにより、2023年の9月には2,000円を超え、2025年5月には過去最高の3,300円台を記録しています。
業績が計画通り増益を達成すれば、さらなる増配の余地があります。すかいらーくHDの配当性向(当期利益に対する配当金の割合)は直近で約30%前後で推移しています。2024年実績で配当性向約30%、2025年予想も概ね30%程度となる計算です。これは東証プライム上場企業の平均並みで、無理のない水準と言えます。仮に配当性向30%を維持するとすれば、2026年も利益成長に合わせて配当金をやや増額する可能性があります。ただし外部環境により業績が伸び悩んだ場合は増配を見送ることも考えられるため、2025年の業績達成度合いと2026年の会社方針を注視する必要があります。

また、すかいらーくと競合他社の株の値動きについては、以下の表を参考にしてみてください。
会社名 | 価格 | 年初来高値 | 年初来安値 |
すかいらーくホールディングス(3197) | 3,064円 (以下2025/9/17終値) | 3,325円 (2025/5/28) | 2,265円 (2025/1/23) |
ゼンショーホールディングス(7550) | 9,792円 | 10,600円 (2025/8/18) | 7,169円 (2025/4/7) |
ロイヤルホールディングス(8179) | 2,754円 | 2,785円 (2025/8/5) | 2,236円 (2025/1/14) |
参照元:Yahoo!ファイナンス|日本株
すかいらーくの自己株式取得|実施なし
2025年12月期において、すかいらーくは自己株式取得を実施しておらず、直近数年間でも報告はありません。
また、すかいらーくは経営方針として「自社株買いで資本を減らすのではなく、成長投資によって将来的にリターンを増やす」と発表しています。
そのため、今後も自己株式取得を実施せず、配当金や株価の上昇で株主還元を行う可能性が高いでしょう。
すかいらーくなどの個別株への投資は簡単と思っていたけれど実際に難しかった。とくに売る時に迷ってしまい売り時を逃してしまったという方が多くいらっしゃいます。利益を確保するのは大事ですが時には損切も必要になり、これができないと株で資産形成は難しくなります。しかし自分ではできないという方には、投資顧問の利用をおすすめします。当サイトを運営するライジングブル投資顧問は、株の「売買サポート」を行っております。ライジングブルの売買サポートサービスは、3ヶ月9,000円で買い推奨だけではなく、売却、銘柄入替するところまで、リスク管理をしながらサポートします。
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まとめ
本記事では、すかいらーくの配当金について解説しました。
すかいらーくの2025年12月期の配当金は、1株あたり年間20円が予定されています。
100株あたり年間2,000円が支払われますが、実際に振り込まれる金額は税引後の1,593円です。
すかいらーくは株式還元と自社投資のバランスを保つため、配当性向30%を方針としています。
業績が下がった時期には一時的に「無配」となったものの、黒字回復によって配当金もすぐに復活しました。
また、株主優待(すかいらーく店舗で使える電子チケット)も魅力的で、持ち株数によっては最大34,000円相当の食事が楽しめます。
2025年度も売上が伸びているので、今後も配当金や株主優待で株主利益を行う可能性が高いでしょう。
銘柄選びの参考になれば幸いです。
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