【投資初心者必見!】株式市場一覧と国内外の市場の取引時間等を一挙紹介

【投資初心者必見!】株式市場一覧と国内外の市場の取引時間等のイメージ

株式投資などの資産運用を始めると、日本に上場する大小さまざまな企業を投資対象として検討することになります。現在、日本に存在する企業のうち、上場している企業はおよそ0.2%ほどです。

東京証券取引所に上場している企業だけで3,889社(2023年8月31日段階 JPXグループHP参照)あります。

日本には東京証券取引所(通称:東証)以外にも、複数の取引所が存在しています。大きな取引所には市場区分があり、それぞれに基準が設けられています。

また、株価はそれぞれの取引所の取引時間内に変動し、売買が活発化します。したがって、リアルタイムで取引することで得られる利益というのもあります。

投資初心者は、まず日本にどのような取引所や市場区分、それぞれの取引時間などを知っておくと投資の参考になります。

この記事では、国内の株式市場の一覧や比較として海外の取引所事情についてもご紹介します。

国内の証券取引所とその株式市場一覧

国内の証券取引所とその値動きを見ている人

まずは、国内の証券取引所とその株式市場について見ていきます。証券取引所によって、市場区分は異なります。

日本国内の証券取引所一覧

以下が国内の株式市場の一覧になります。

・東京証券取引所(東証)
・名古屋証券取引所(名証)
・札幌証券取引所(札証)
・福岡証券取引所(福証)

現在、日本国内には4つの証券取引所があります。基本的に、その地域に本拠地を持つ会社がそれぞれの証券取引所に上場しています。企業によっては複数の証券取引所に上場しているケースもあります。

各証券取引所の市場区分一覧

株式市場は、各証券取引所によって区分が分かれています。以下、4つの証券取引所の市場区分を紹介します。

①東京証券取引所
・プライム市場
・スタンダード市場
・グロース市場

②名古屋証券取引所
・プレミア市場
・メイン市場
・ネクスト市場

③札幌証券取引所
・本則市場
・アンビシャス

④福岡証券取引所
・本則市場
・Q-Board

それぞれの市場区分には上場基準が設けられています。基準をクリアしていない企業は、上場廃止になることもあります。

証券取引所では公正なオークション方式で株取引が行われる

 

証券取引所には、日本中から注文が集められ、取引が成立して株価が形成されています。通常の株式はオークション方式といって、「価格優先、時間優先の原則」に基づいて、次々と売り手と買い手の注文を付け合わせて、取引を成立させていきます。

取引所にはたくさんの注文が集まるわけですが、買い注文の場合には「より高い値段でも買いたい」という注文を、売り注文の場合には「より低い値段でも売りたい」という注文が優先されます(価格優先の原則)。

株式の注文方法には、希望の価格を指定する指値(さしね)注文と価格を指定せずいくらでもいいから売買したいという成行(なりゆき)注文がありますが、価格優先の原則として、成行注文が最優先されます。

また、同じ注文価格であった場合には、注文を先に出した方が優先されて、取引が成立します(時間優先の原則)。同じ成行注文でも先に出した方が先に約定できます。このようなルールを厳格に適用して、公正な取引が保たれています。

なお、一つの企業が複数の取引所に重複上場することができます。例えば、トヨタ自動車は東京の他に名古屋、福岡、札幌に、三菱UFJフィナンシャル・グループは東京と名古屋に上場しています。このような場合、どちらの市場でも売買が可能です。

ただし、株価は市場ごとに異なり(通常はすぐに是正されますが)、出来高も違っています。重複上場銘柄を売買するときには、株価が有利で出来高が多い市場を選ぶようにしましょう。東証と地方の取引所に重複上場している場合は、東証の方が取引に厚みがあることが圧倒的に多いようです。

株式市場の立ち合い時間(取引時間)について

証券取引所で取引が行われる時間帯を立会時間(たちあいじかん)といいます。今はシステム化されていますが、1999年までは実際に人間が立ち会って注文を処理していたため、そのように呼ばれています。

国内の株式市場の取引時間は、東証と他の3つの証券取引所で、平日(土曜日、日曜日、祝祭日、12月31日、年始の3日間を除いた日)です。1日の立会時間については、取引所によって異なります。

日本最大の取引所である東京証券取引所では、午前9時00分~午前11時30分と午後0時30分~午後3時00分までの2回で、午前中の立会を「前場(ぜんば)」午後の立会を「後場(ごば)」といいます。

東京以外の名古屋、福岡、札幌の各証券取引所では、東証より後場が30分長くなっています。

①東京証券取引所の取引時間(平日)
9:00AM〜11:30AM(前場)
12:30PM〜15:00PM(後場)

②名証・札証・福証の取引所の取引時間(平日)
9:00〜11:30(前場)
12:30〜15:30(後場)

株式市場の立ち合い時間(取引時間)の呼び方

 

株式取引では、売りたい人と買いたい人の条件がマッチすると取引が成立(約定)して、価格がつきます。立会時間の最初と最後の価格は、取引をする人にとって非常に重要であるため、立会時間の始めと終わりに付く価格に名前が付いています。

立会時間の始めに付く価格を「寄付(よりつき)」といいます。前場も後場も寄付といいますが、後場の寄付を「後場寄り(ごばより)」といいます。

また、終わりに付く価格を「引け(ひけ)」といいます。前場も後場も終値を引けといいますが、前場の終値を「前引け(ぜんびけ)」、後場の引けを「大引け(おおびけ)」といいます。

「寄付」は始めに付く価格ですが、売りと買いの条件が合わずに注文が成立しないと価格がつきません。

通常の相場で一般的な銘柄では9時ちょうどに寄付くことが多いのですが、何かイベントが起きたり相場が荒れたりする場合は、なかなか取引が成立せず寄付かないことがあります。

もし、10時に約定したら、10時の売買が寄付となります。引けについても同じで、通常の場合は立会時間の終了時(東証なら午後3時)に引けることがほとんどですが、売り買いの注文条件が合わなかった場合、午後3時より前に付いた最後の売買価格をもって大引けとなります。これを「ザラ場引け」といいます。

寄付、引けの持つ意義

24時間相場が動いているFX(為替証拠金取引)などと違って、株式市場は限られた時間での取引となります。

例えば、今日午後3時に株式市場が引けると、次の市場が始まる翌日の午前9時までには18時間あります。夕方に決算発表があった場合や為替市場の動き、ニューヨーク市場をはじめとする海外市場の動向など、多くの事象を考慮して出された注文が、翌日の「寄付」に凝縮されることになります。そのため、投資家は「寄付」を重要視しています。

株式を注文するときの注意点

取引所の立会時間は限られていますが、インターネット証券では、基本的に注文入力自体は24時間可能です。立会時間以外に入力した注文は、次の立会時間にまとめて取引所に発注されます。

また、インターネット証券では「引け」という注文方法があります。これは、引けの値段での売買(引けの値段で成行注文)を指示するものですが、もし、その銘柄がザラ場引けとなると、この注文は成立しませんので注意が必要です。

東京証券取引所等の市場区分の詳細

東京証券取引所等の市場区分の詳細のイメージ

日本国内にある4つの証券取引所の市場区分には上場基準が定められています。以下、市場区分の詳細について説明します。

東京証券取引所の市場区分の詳細

東京証券取引所(=東証)の市場区分は以下の3つです。詳細は以下の通りです。

・プライム市場

多くの機関投資家の投資対象となるような高い流動性と財務等の透明性を保持した優れた経営を行う企業向けの市場。

<主な上場基準>

・株主数:800名以上
・流通株式数:2万単位以上
・流通株式時価総額:100億円以上
・流通株式比率:35%以上
・時価総額:250億円以上
・収益:最近2年の利益合計25億円もしくは売上高100億円かつ時価総額1,000億円以上

・スタンダード市場

一定の流動性と基本的なレベルは満たす経営能力を持つ企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:400名以上
・流通株式数:2,000単位以上
・流通株式時価総額:10億円以上
・流通株式比率:25%以上
・収益:最近1年の利益1億円以上
・グロース市場

相対的にリスクが高いが、高い成長性を持つ企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:150名以上
・流通株式数:1,000単位以上
・流通株式時価総額:5億円以上
・流通株式比率:25%以上

昨今は、国内取引は東証に集中しているため、東証への上場を希望する企業が増えています。ただし、以前の市場区分よりも、基準が厳格化し、上場基準と上場維持基準が統一されました。

これによって、上場企業は上場後も基準を満たし続ける必要があり、企業努力が求められるようになっています。>(参考:東京証券取引所HP)

関連記事
東証市場再編で何が変わった?プライム・スタンダード・グロース市場の特徴紹介

名古屋証券取引所の市場区分の詳細

名古屋証券取引所(=名証)の市場区分は以下の3つです。詳細は以下の通りです。

・プレミア市場

優れた収益基盤・財務状態に基づく高い市場評価を有し、個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:800名以上
・流通株式数:2万単位以上
・流通株式時価総額:250億円以上
・流通株式比率:35%以上
・収益:最近2年間の利益の額が総額25億円以上又は最近1年間の連結売上高が100億円以上かつ時価総額が1,000億円以上

・メイン市場

安定した経営基盤が確立され、一定の事業実績に基づく市場評価を有し、個人投資家をはじめとする多くの投資家の継続的な保有対象となりうる企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:300名以上
・流通株式数:2,000単位以上
・流通株式時価総額:10億円以上
・流通株式比率:25%以上又は上場日の前日までに公募又は売出しを1,000単位又は上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上を行うこと
・収益:最近1年の利益の額が1億円以上

・ネクスト市場

将来のステップアップを見据えた事業計画及び進捗の適時・適切な開示が行われ、一定の市場評価を得ながら成長を目指す企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:150名以上
・公募等の実施:上場時に500単位以上の公募・売出しを行うこと(既上場会社又はダイレクトリスティングを除く)
・流通株式時価総額(上場見込み):3億円以上
・事業継続年数:1年以前から株式会社として継続的に事業活動をしていること

名証は、東証に準じて3つの市場区分が存在しています。

東海地方にある企業にとっては地域での知名度や売買活性化の面で有利となるため、名証に上場する企業が一定数います。

また、ネクスト市場は、今後企業的な成長が期待される企業が上場している市場です。名証は本拠地が東海圏でなくても上場できるため、地域関係なくネクスト市場でIPO(新規上場)を行い、その後に他の市場にステップアップしていく企業も多いです。(参考:名古屋証券取引所HP)

札幌証券取引所の市場区分の詳細

札幌証券取引所(=札証)の市場区分は以下の2つです。詳細は以下の通りです。

・本則市場

一定の実績を有している企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:300人以上
・流通株式数:上場時の流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上又は上場日の前日までに公募又は売出しを1,000単位又は上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上
・流通株式時価総額:10億円以上
・純資産総額:3億円以上
・収益:最近1年間の経常利益が5,000万円以上

・アンビシャス

近い将来における本則市場へのステップアップを視野に入れた、中小企業向けの市場

<主な上場基準>
・株主数(上場見込み):100人以上又は500単位以上の公募又は売出し
・純資産総額:1億円以上(最近2年間の営業利益が連続して5,000万円以上の場合は、「正」)
・収益:最近1年間の営業利益の額が「正」。営業利益の額が「正」でない場合において、収益の向上が期待できる場合を含む。

本則市場に上場する場合は、企業の本拠地はどこでも可能ですが、アンビシャス市場に上場する場合は北海道に関連する企業という条件があります。(ただし、「関連」があれば良いので、本拠地が北海道である必要はありません。)(参考:札幌証券取引所HP)

福岡証券取引所の市場区分の詳細

福岡証券取引所(=福証)の市場区分は以下の2つです。

詳細は以下の通りです。

・本則市場

一定の実績を有し、安定性と成長性を兼ね備えた企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数:300人以上
・流通株式数:上場時の流通株式数2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上又は上場日の前日までに公募又は売出しを1,000単位又は上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上
・流通株式時価総額:10億円以上
・純資産総額:3億円以上
・収益:最近1年間の経常利益が5,000万円以上

・Q-Board

成長の可能性が見込まれる企業向けの市場。

<主な上場基準>
・株主数(上場見込み):200人以上
・時価総額(上場時):3億円以上
・純資産総額:上場の際に「正」であること

札幌証券取引所同様、本則市場に上場する場合、企業の本拠地などは関係なく上場申請ができます。

Q-Boardは九州に関連する企業というのが条件となっていますが、「関連」している企業であれば良いので、上場基準としては比較的緩やかなものといえます。(参考:福岡証券取引所HP)

米国等の証券取引所や市場区分について

米国等の証券取引所や市場区分についてのイメージ

よく投資は24時間365日取引ができると言われています。

しかし、それは世界中の証券取引所のいずれかが、取引時間に該当しているという意味です。

日本市場では、すでに紹介した通り、リアルタイムで取引できる時間が決まっています。

また、米国等の市場にも市場区分があり、上場基準などが定められています。

ここでは、世界各地の取引時間や一事例として、米国の証券取引所の市場区分についてご紹介します。

世界各地の証券取引所の取引時間について

世界の主要な証券取引所の取引時間(日本時間)は以下の通りです。

サマータイムを導入している国々では、夏と冬で取引時間が異なります。なお、米国のサマータイムは3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までとなっています。

アメリカ(ニューヨーク証券取引所)
標準時時間【冬】日本時間で23:30~翌6:00
サマータイム【夏】日本時間で22:30~翌5:00

また、時間外取引も行われています。
アメリカ(プレ・マーケット)
米国夏時間では日本時間21:00~22:30
米国冬時間では日本時間22:00~23:30

・アメリカ(アフター・マーケット)

米国夏時間では日本時間翌5:00~翌9:00
米国冬時間では日本時間翌6:00~翌10:00

イギリス(ロンドン証券取引所)
【夏】16:00~00:30
【冬】17:00~1:30

フランス(ユーロネクスト)
【夏】16:00~00:30
【冬】17:00~1:30

オーストラリア(オーストラリア証券取引所)
【夏】8:00~14:00
【冬】9:00~15:00

中国(上海証券取引所)
【前場】10:30〜12:30
【後場】14:00〜16:00

韓国(韓国証券取引所)
9:00~15:00

インド(ムンバイ証券取引所)
12:45〜19:00

シンガポール(シンガポール証券取引所)
【前場】10:00~13:00
【後場】14:00~18:00

基本的に、国内同様、土日祝日は休場です。ただし、祝日は国によって異なるため、各国の祝日に合わせて取引所も休場になる点は注意する必要があります。

米国の証券取引所の市場区分について

世界最大の株式市場である米国市場は、主に2つの市場区分に分かれています。それぞれの特徴は以下の通りです。

NYSE(ニューヨーク証券取引所)
世界最大規模の証券取引所で1817年に設立。マクドナルドやコカ・コーラなど伝統的な企業が上場している。

NASDAQ(ナスダック)
1971年に世界初の電子株式取引所として設立。世界最大の新興企業(ハイテク企業)が上場する市場。マイクロソフトやアップルなど世界の主要IT企業が上場している。

NYSE・NASDAQともに、日本国内同様、株式の流動性や財務の健全性といった視点での上場基準が存在しています。

まとめ

お金のなる木を育てるイメージ

現在、日本国内には4つの証券取引所が存在し、それぞれに市場区分が存在します。

各市場区分には明確な定義があり、上場基準を満たさない限り上場できません。

そして、海外の証券取引所は現地時間で取引されており、24時間365日どこかの証券取引所でリアルタイムの取引が行われています。

世界最大の米国市場にも市場区分が存在し、世界的に有名な企業が上場していたりします。

投資初心者は、まずそれぞれの市場区分の特徴を知り、自分が投資したい銘柄がどういった市場に存在するのかを把握しましょう。

リアルタイムで取引をすれば、流動性が高い状況でトレードできるので、急な高騰などを避けて取引できます。

株式取引の一つの目安として覚えておくと良いでしょう。

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