
アップル(Apple)はiPhoneを軸に、PCやウェアラブル端末の製造販売、アプリやクラウドなどのサービスを展開するアメリカのIT企業です。
米国株投資を考えている方のなかには、GAFAMの一角であるアップル株で利益を狙っている方もいるでしょう。
ただ、近年のアップル株は配当金が少なく、2025年9月期の配当金は1株あたり年間1.03ドル(約159.6円)で、配当利回りは0.4%と低水準です。
本記事では、アップルの配当金が少ない理由や投資リスクについて解説します。
アップルの強みと投資メリットも解説しているので、自分の投資スタイルに合うかどうかの参考にしてみてください。
目次
アップル(Apple)の配当金
アップル(Apple)の配当金について、以下の3点を解説します。
アップルの配当金の現状を把握し、自分の投資スタイルに合うかの判断材料にしてください。
配当金はいくら?
Appleの配当はドル建てで決まり、年間では1株あたり1.03ドルです。参考として、1ドル=155円で換算すると約160円/年(1株あたり)。また、直近の配当は0.26ドル(約40.3円)です。
※実際の受取額(円)は、支払日の為替レートや税金・手数料などで前後します。
過去5年分の配当金の推移を、以下の表にまとめました。
(1株あたり・単位:USドル)
| 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年間合計額 |
| 2026年9月期 | 0.26 | - | - | - | - |
| 2025年9月期 | 0.25 | 0.26 | 0.26 | 0.26 | 1.03 |
| 2024年9月期 | 0.24 | 0.25 | 0.25 | 0.25 | 0.99 |
| 2023年9月期 | 0.23 | 0.24 | 0.24 | 0.24 | 0.95 |
| 2022年9月期 | 0.22 | 0.23 | 0.23 | 0.23 | 0.91 |
| 2021年9月期 | 0.20 | 0.22 | 0.22 | 0.22 | 0.86 |
直近5年間で見ると、アップルは少額ながら年々増配を続けています。2025年9月期第2四半期に配当金が1株あたり0.26ドルに増配(+0.01ドル)したことで、4年連続での増配となりました。
いつもらえる?|2月・5月・8月・11月の年4回
アップルの配当金は、毎年2月、5月、8月、11月の年4回にわけて受け取れます。配当金の受取時期と株主確定日を、下表にまとめました。
| 項目 | 株主確定日 | 受け取り時期 |
| 第1四半期 | 2月上旬~中旬 | 2月中旬 |
| 第2四半期 | 5月上旬~中旬 | 5月中旬 |
| 第3四半期 | 8月上旬~中旬 | 8月中旬 |
| 第4四半期 | 11月上旬~中旬 | 11月中旬 |
アップルの配当金を受けとるには、株主確定日までに株を購入・保有する必要があります。証券会社での注文反映に時間がかかったり、現地時間で日付を超えたりする可能性があるため、配当を狙うときは余裕をもって注文を完了させましょう。
配当利回りと配当性向
2025年9月期において、アップルの配当利回りは0.41%、配当性向は13.77%です。
過去5年分の推移については、以下の表をご覧ください。
| 事業年度 | 配当利回り | 配当性向 |
| 2025年9月期 | 0.41% | 13.77% |
| 2024年9月期 | 0.44~0.51% | 不明 |
| 2023年9月期 | 0.53~0.61% | 不明 |
| 2022年9月期 | 0.51~0.66% | 不明 |
| 2021年9月期 | 0.58~0.68% | 不明 |
参照元:Investing.com|アップル株式配当、koyfin|Apple Inc. (AAPL)Dividend Date & History
日本の「高配当株」の目安となる配当利回り3〜4%と比べると、アップルの配当利回りは0.40%と低水準です。
アップルは「自社成長」で株主に利益を還元する方針なので、配当益よりも長期目線で株の値上がりを期待すべきでしょう。
アップル(Apple)の配当金が少ない3つの理由
アップル(Apple)の配当金が少ない理由として、以下の3つが挙げられます。
企業の運営方針を理解し、銘柄選びの参考にしてみてください。
成長投資を優先しているから
アップルの配当金が少ない理由として、自社の成長投資を優先している点が挙げられます。たとえば、iPhoneやMacなどの新製品を開発するための「研究開発費」は、直近5年間で約1.5倍に増加しています。
(単位:百万USドル)
| 事業年度 | 研究開発費(前期比) |
| 2025年9月期 | 34,550(+10.13%) |
| 2024年9月期 | 31,370(+4.86%) |
| 2023年9月期 | 29,915(+13.96%) |
| 2022年9月期 | 26,251(+19.79%) |
| 2021年9月期 | 21,914(+16.86%) |
参照元:finboard|Apple Inc.【AAPL】 研究開発費、Apple Investor Relations 2025 10-K
また、アップルは2021年からの5年間で、約4,300億ドルの米国投資を表明。その後、2025年8月には1,000億ドルの追加投資を発表しています。配当を増やすよりも、AIや自社チップの開発に資金を使うことで、株価上昇という形で株主に利益を還元しています。
自社株買いを優先しているから
アップルの株主還元方針では、配当より自社株買いを優先しています。自社株買いで市場の株式数を減らすことで、1株あたりの価値が高まって株価上昇につながると考えているからです。
直近で実施された自社株買いの記録を、下表にまとめました。
(単位:百万USドル)
| 事業年度 | 買い戻し額 |
| 2025年9月期 | 90,711 |
| 2024年9月期 | 94,949 |
| 2023年9月期 | 77,550 |
| 2022年9月期 | 89,402 |
| 2021年9月期 | 85,971 |
参照元:Apple Newsroom
アップルは直近約10年で約100兆円の自社株買いを実施しており、今後も利益還元策として継続する見込みです。
クックCEOが慎重な配当政策を維持しているから
アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は、配当での利益還元に消極的でした。実際、1995年から2012年までの17年間※、配当が一切実施されなかった時期があります。
現CEOのティム・クック氏は2012年に配当を再開しましたが、配当政策には依然として慎重な姿勢を取っています。段階的に増配を続けているものの、配当よりも自社株買いや成長投資を優先し、株価上昇という形で株主に利益を還元する方針です。
アップル(Apple)とは|アメリカ発祥の大手テクノロジー企業
| 項目 | 内容 |
| 名称 | Apple Inc |
| 設立 | 1977年 |
| 本社 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州クパチーノ |
| 代表者 | Timothy D. Cook(ティム・クック) |
| 事業分野 | ・iPhone事業:スマートフォンの設計・販売 ・サービス事業:App Store、iCloud、Apple Payなどの提供 ・ウェアラブル・アクセサリー事業:Apple Watch、AirPodsなどの販売 ・Mac、iPad事業:PC、タブレットの設計・販売 ・AI事業:独自AIの開発や、「Apple Vision Pro」を通じた新領域への投資 |
アップル(Apple)は、アメリカの巨大企業GAFAMの一角を担う世界トップクラスのIT企業です。iOSやMチップなど、独自の技術を使った「iPhone」や「Mac」をなどの幅広いデバイスを開発し、世界中の人々に提供しています。
AI分野ではやや遅れを取っていますが、OSやチップと同様に、オリジナルの技術を搭載した商品の開発で巻き返しを狙っています。
アップル(Apple)に投資する4つのメリット・強み
アップル(Apple)に投資するおもなメリット・強みは、以下の4つです。
- 世界トップクラスのブランド力を誇る
- ハードウェア以外の事業でも高収益を継続している
- 株価が長期的に成長している|過去10年間で10倍以上
- AI企業の買収で競争力を強化する戦略|Apple Intelligence
上記を理解すれば、アップル株が自分の投資スタイルに合っているか判断できるようになるでしょう。
世界トップクラスのブランド力を誇る
アップル(Apple)は、Google、Amazon、Meta、Microsoftと並ぶ「GAFAM」の一角です。以下の技術的な強みによって、世界トップクラスのブランド力を誇ります。
- Apple Silicon(自社チップ)による高性能化
- 独自OS(iOS/macOS)による他社との差別化
- エコシステム(製品間の連携)による顧客の囲い込み
とくにエコシステムが強力で、一度ユーザーになると他社に乗り換えない「アップル信者」と呼ばれる熱狂的なファンを生み出しています。実際、アップルの顧客維持率は90%超えとも言われており、製品価格が高くても安定して売れ続けるため、長期的な株価上昇が期待できるでしょう。
ハードウェア以外の事業でも高収益を継続している
iPhoneやMacなどのハードウェア事業だけでなく、アップルは以下のような「サービス事業」でも高収益を継続しています。
- App Store:アプリ販売
- Apple TV+:動画配信サービス
- iCloud:クラウドストレージサービス
- Apple Music:音楽ストリーミング配信
- Apple Arcade:ゲームサブスクリプション
以下の表では、サービス事業とハードウェア事業の粗利益を比較しました。
(単位:百万USドル)
| 粗利益額(粗利益率) | 2025年9月期 | 2024年9月期 | 2023年9月期 |
| ハードウェア | 112,887(36.8%) | 109,633(37.2%) | 108,803(36.5%) |
| サービス | 82,314(75.4%) | 71,050(73.9%) | 60,345(70.8%) |
| 合計 | 195,201(46.9%) | 180,683(46.2%) | 169,148(44.1%) |
参照元:Apple Investor Relations|年次報告書2025 10-K
サービス事業の粗利益は3年間で約36%増加しており、成長が加速しています。 サブスクリプション(継続課金)モデルのため、iPhoneなどのデバイスが売れなくても安定した収益を確保できるのがアップルの強みです。
株価が長期的に成長している|過去10年間で10倍以上
アップルの株価は、長期的に見て右肩上がりに成長しています。直近10年間の株価チャートは、以下のとおりです。
アップルの株価は、2026年2月6日現在で1株278.12ドル(日本円で約43,699円)。2016年頃には24ドル台で取引されていたので、アップルの株価は直近10年で10倍以上に成長しました。
これは、AI開発などの成長投資と積極的な自社株買いを長年継続してきた結果であり、今後も株主還元を重視する姿勢は変わらないと考えられます。

Appleは「配当利回りで稼ぐ株」より、「(配当は控えめだが)自社株買いで1株利益が上がりやすい株」です。そのため、配当“だけ”を期待して買うと、ミスマッチが起きます。
AI企業の買収で競争力を強化する戦略|Apple Intelligence
AI分野で競合に遅れを取っているアップルですが、AI企業の買収によって一気に挽回する戦略を取っています。2025年には、AI検索エンジンのPerplexity(パープレキシティ)買収が報じられました。
実現すれば、自社開発に数年かける代わりに、GoogleやMicrosoftに匹敵するAI機能を短期間で獲得できます。
具体的には、アップルが開発中のAIシステム「Apple Intelligence」において、Siriの強化やSafariへのAI統合が可能となり、デバイス全体での競争力が向上します。
巨額の設備投資リスクを避けながらAI分野の遅れを取り戻せれば、業績や株価のさらなる上昇が期待できるでしょう。
参照元:Business Insider Japan|アップルの「AI企業の買収検討」報道は巨大メーカーの救世主か…「AIに投資しないほうがリスク」バンカメが指摘
アップル(Apple)に投資する3つのデメリット
アップル(Apple)に投資する際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
米国株投資での失敗を避けるためにも、アップルへの投資リスクを正しく把握しておきましょう。
配当利回りが低い|約0.4〜0.5%程度
アップルは配当金が少ないため、配当利回りも低いです。
「配当利回りと配当性向」の章で解説したとおり、2025年9月期の配当利回りは0.4%、2024年9月期は0.44〜0.51%でした。
急に配当が増えるとは考えられないため、配当生活をしたい方には不向きです。一方、アップルは「配当+自社株買い(総還元)」が大きいので、値上がり益や長期保有をしたい方との相性が良い銘柄です。
高配当投資に興味がある方はこちらの「【米国株】配当利回り5%超のおすすめ高配当5銘柄を紹介!NISA成長投資枠活用も」記事を参考にどうぞ
株価が割高水準にある|PERが高い
アップルの株価は現在、割高な水準にあります。
株価の割高・割安を測る指標に「PER(株価収益率)」があります。PER(株価収益率)とは「投資額を会社の利益だけで回収するのに必要な年数」を示す数値です。
2026年2月6日時点のアップル株のPERは37.28倍で、約37年分の利益に相当する株価がついている計算になります。
一般的な適正水準は15〜20倍程度とされており、アップル株は割高な状態です。
今後の成長期待が高いため株価は下がりにくいですが、短期的な調整局面では大きく値下がりするリスクがある点を知っておきましょう。
中国市場での競争が激化している|シェア低下のリスク
中国市場はアップルの売上の約15%を占める、主力市場の1つです。しかし、近年はHuaweiやXiaomi、OPPOといった地元メーカーの台頭により、iPhoneのシェア率が低下しています。
2024年時点で、アップルは中国スマホ市場で5位前後に後退しており、地元企業に押されている状況です。さらに、中国政府が公務員に対してiPhoneの使用を制限するなど、外資企業への規制も強化されています。
消費者の間でも「愛国消費」による国産品選好が強まっており、中国市場でのシェア低下は、アップルの長期的な収益を圧迫するリスクとなっています。
参照元:Quarterly|China Smartphone Market Share、WSJ|China Bans iPhone Use for Government Officials at Work

2026年の配当の見通しは業績とキャッシュ創出力を背景に継続(場合によっては小幅増配)を目指す形が基本路線になりやすいと考えます。一方、部品コスト上昇や競争による値引きが増えると粗利率が下がり、売上が伸びても利益が伸びにくくなる点はリスクです。2026年は①iPhone売上(稼ぎ頭の勢い)②Services(利益の下支え)③粗利率(コスト・値引きの影響)を見て、現状レベルの配当が継続されるか判断していく必要があります。
まとめ
アップル(Apple)は、自社株買いや自社投資によって株主還元を図っている企業です。配当の優先順位が低いため、直近数年間の配当利回りは約0.4〜0.5%と低水準です。アップルへの投資を検討する際は、以下のポイントをおさえておきましょう。
- 配当金での高収入は期待しにくい
- 長期保有により、将来的な増配や株価上昇に期待する
- 中国市場のシェア率が下がれば、業績悪化の可能性がある
それでも、アップルは世界トップクラスのブランド力や利益率の高いサービス事業により、高い業績を維持しています。
米国株投資で利益を狙うなら、お金や投資の勉強を続けながら、長期的な視点でアップル株への投資を検討してみてください。



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