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知っておきたい株の指標。ROE(株主資本利益率)とは?

知っておきたい株の指標。ROE(株主資本利益率)とは?

株式投資の際に参考としたい指標のうち、ROEを紹介します。米国では特に重視されている指標で、日本でも機関投資家やファンドマネージャーが好んで使います。

ROEとは・・・

ROEは、Return On Equityの頭文字で、日本語では「自己資本利益率」と呼ばれます。以前は「株主資本利益率」といわれていましたが、2006年に会計基準の改正で株主資本と自己資本が区別されたため、現在は「自己資本利益率」が正式とされています。

株主資本は「資本金+資本剰余金+利益剰余金+企業が自社で持っている株式」で、それに有価証券や為替などの時価評価を加えたものが自己資本です。

ROEは、株主の持ち分である資本に対して会社がどれだけ収益を上げたかを表すもので、企業の利益を自己資本で割って算出します。

 計算式:  当期純利益 ÷  自己資本(期首と期末の平均値) × 100 = ROE
 計算例:   380億円  ÷  (2,265億円+2,453億円)÷2  × 100 = 16.1%

計算例は、コンビニエンスストア大手のローソンのものですが、同社が株主の持ち分財産に対して、その16.1%の収益を上げたことが分かります。

ROEから分かること:株主にとって効率の良い経営をしているか?

企業は、自己資本(株主の持ち分)と負債(借金)を使って事業を行います。その両方の財産を使って得られた収益のなかから、負債の利子や税金を払って残った金額が株主に帰属するものといえます。

その数値の大きさを表すROEは、いわば、「企業の経営者が、株主に対して利益を返すという責務をどれだけ果たしているか」を見ることができる指標です。株主に利益を配当する能力を測定するものともいえ、この数値が高いほど株主にとって効率の良い経営をしていることになります。このことから、ROEは、投資家にとって非常に重要な尺度となるのです。

注意点として、自己資金が少ない(負債が多い)場合もROEは高い数値になるということです。ROEを見る時は、総資本に対して自己資本がどれだけあるか(自己資本比率)も併せて見るようにしましょう。

例示したローソンのROEは16.1%ですが、同日の計算で、セブン&アイ(セブンイレブン)8.8%、ファミリーマート9.2%です。この3社は自己資本比率が概ね4割と同じ水準なので、ROE上ではローソン株が投資家にとって効率的な経営をしており、好ましいといえます。

ROE、PER、PBRの面白い関係

ROEはPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)と密接な関係があり、次の式が成り立ちます。

ROE×PER=PBR

これはどういうことでしょうか、検証してみましょう。ROE×PERは分解するとこうなります。

       ROE          ×       PER
  (1株当たりの利益 ÷ 純資産) × (株価 ÷ 1株当たりの利益)

ROEの分子にある「1株当たりの利益」とPERの分母「1株当たりの利益」が相殺できますので、残る数値は(株価 ÷ 純資産) となります。これはつまりPBRの計算式と同じです。

この関係からいえるのは、PBRが低くて一見割安に見える企業は、ROEやPERも低い可能性があるということです。PERが低い分には、投資家の買い意欲が現在は低い割安株ということでそんなに問題はありませんが、ROEが低い場合は、株主にとって経営効率の悪い収益率の低い企業ということになりますので注意が必要です。

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