株のサポートの特徴
主要な株価指数とは何か
投資の成果を見るため、市場全体の動きを把握するため…など、株式市場のモノサシとして株価指数があります。株価指数とはどんな役割をし、具体的にどういったものがあるのか、見ていきましょう。
株価指数の役割
企業の業績やイベント(新商品開発や事故、合併など)によって投資家の買いたい、売りたい心理が交錯して、毎日株価が作られています。
銘柄別に見ると、上がっているものもあれば下がっているものもあるのですが、市場全体の流れもあります。それは、個別の企業が活動するベースとなる経済環境によって基本的には全体が強気か弱気かの一方向に引っ張られ、多かれ少なかれ個別の銘柄もその影響を受けます。
したがって、個別企業の事情を研究して銘柄を選びますが、売買タイミングを決めるときなどは、全体の相場の流れを見ることも重要になります。
その全体の相場の動きを見るためにあるのが株価指数であり、様々な指数の作り方がありますが、なるべく正しく全体像をとらえることを目的として作られています。
また、この全体の動きを表すという点に着目し、株価指数と同じ動きをする投資信託があり、個人投資家が市場全体に分散投資したような成果を目指して資産運用をするときに大変便利です。
なお、機関投資家(プロの法人投資家)や投資信託は、自己の運用実績の巧拙をはかるために株価指数を競争相手(ベンチマーク)として利用します。
日本の株式市場に関する株価指数
日経平均株価
テレビや新聞などで日本株市場の動きを示す場合の代表的指数は日経平均株価です。これは、日本経済新聞社が発表しているものです。東京証券取引所第1部上場銘柄の中から、取引が活発に行われている225銘柄について同社が平均株価を計算しています。そのため、日経225とも呼ばれています。
225銘柄は、年に1回(10月)定期的に見直され、入れ替えを行います。過去5年間の売買代金や業種別の配分も考慮されます。そのほか、銘柄が上場廃止になった場合などに補充をするために臨時に見直されることがあります。
TOPIX(トピックス、東証株価指数)
東京証券取引所が集計、発表している指数です。対象は、東京証券取引所第一部に上場するすべての銘柄です。東証一部には現在1,800社以上が上場しており、そのうちの225銘柄しかカバーしていない日経平均に比べて、より全体の動きを表していると考えられます。そこで、機関投資家のベンチマークとしては、通常、日経平均ではなくTOPIXが使われます。
JPX日経400
2013年8月にスタートした新しい指数で東京証券取引所から発表されています。投資家を意識した経営観点などグローバルな投資基準に求められる条件を満たした会社400社で構成されています。
時価総額や売買代金などで選ばれた従来の指数とは異なり、企業の営業利益、ROE(資本に対する利益の割合)など事業の収益性や英文開示資料の整備、独立した社外取締役の選任状況など、外国人投資家の目線で投資対象となり得る条件も加えたことが画期的です。
その他の指数
東京証券取引所には、第一部市場の他に、第二部、ジャスダック、マザーズなどの市場があります。これらは、企業の成熟度による取引市場の違いですが、それぞれに指数があります。
例えば、ジャスダックにも、日経新聞社が算出する「日経ジャスダック平均」、東証が算出する「JASDAQ INDEX」があり、ともに全銘柄が対象となっています。
また、東証には業種別に算出した指数や規模別(大型株・中型株・小型株)の指数など様々な角度から指数が用意されています。なお、東証ではCB(株式に転換できる債券)も取引されていますが、その値動きを表す「東証CB-QUICK平均」はQUICK社が算出しています。
株価指数の派生商品
また、株価指数そのものを取引する手段として先物取引やオプション取引があります。株価指数自体は計算値なので実体がありませんが、それを取引したとして計算上で利益分のやり取りをします。
最近では、それら先物価格の動きも市場全体の値動きに影響することも出てきています。そのため、日経平均先物1限月(最終売買日が一番最近に到来する先物)、2限月(最終売買日がその次に到来するもの)やTOPIX先物1限月、2限月の値動きを注意して見る投資家も少なくありません。